制度の充実だけでは語れない「あたたかな空気」のある沖縄県労働金庫(以下、沖縄ろうきん)。職員同士がお互いの状況をさりげなく気遣い、チームとして支え合う姿が日々の仕事に自然と溶け込んでいます。今回お話を伺ったのは、経営統括部 部長の國仲千尋さんと、総務人事部 人事課 課長の長浜久美子さん。立場の異なるお二人が語る「沖縄ろうきんらしさ」には、職員が安心してキャリアを築いていける環境づくりの考え方が詰まっていました。職場の雰囲気や制度が生まれた背景、そしてこれからの働き方についてお話を伺いました。ぜひ最後までご覧ください。沖縄ろうきんの「働きやすさ」を支える取り組みと職場の実態沖縄ろうきんは、2025年3月時点で正規職員172名が在籍する、協同組織の福祉金融機関です。2024年度の平均継続勤務年数は14.3年に及び、多くの職員が安心して働き続けられる環境が整っています。また、子育てサポート企業として2021年9月に「くるみんマーク」を取得し、男女ともに育児休業の取得率は100%(2024年度実績)。女性活躍の推進にも積極的で、2020年12月には女性活躍に基づく認定マークである「えるぼし(3段階目)」の認定も受けました。女性管理職の割合は2024年度実績で30.6%で、名実ともに女性の活躍が進んでいる職場です。お二人が担う役割と、日々の仕事について沖縄ろうきんの“らしさ”をより深く知るために、まずはお二人が日頃どのような役割を担っているのか、お話を伺いました。――まず、國仲さんのお仕事内容について教えてください。國仲さん:私は経営統括部長として、「経営企画課」と「財務課」の業務全体を見ています。経営企画課は沖縄ろうきん全体の事業計画の策定、財務課は資金繰りや決算業務を担う部署です。また経営企画課は、NPOや学生の地域貢献活動を支援するなど、社会貢献活動も担当しています。以前は業務統括部に所属しており、ATMやオンラインシステム、事務の集中処理、預金、つみたてNISA・iDeCoなど、より金融機関らしい業務に携わることが多かったですね。前の部署と今の部署では求められるスキルが異なるため、異動してからは毎日が新しい学びの連続で、大変さを感じる場面も少なくありません。――長浜さんは、どのような業務をご担当されていますか?長浜さん:私は総務人事部の人事課で、人事労務管理を担当しています。人事課は、職務の1つとして仕事と育児の両立支援を行う部署でもあり、「育児休業に入るタイミング」「時短勤務を取りたい職員の不安ごと」など、一人ひとりの状況を伺いながら、利用できる制度や働き方を一緒に考えていく、いわば「相談窓口」のような役割も担っています。沖縄ろうきんに流れる穏やかな空気と、お互いさまで支え合う文化――沖縄ろうきんに「働きやすさ」を感じる瞬間はありますか?國仲さん:私は新卒で入庫したので当初は「これが普通」だと思っていましたが、他の地域のろうきん職員と話すと、沖縄ろうきんはとても穏やかな職場なのだと気づきました。県民性もあるのでしょうか、優しい職員が多い印象です。以前、他業種で働いていた知人が1年ほど勤務したことがあり、「こんなにみんな穏やかで大丈夫?他の金融機関との競争に勝てるの?」と心配されるほど、良い意味でおっとりしていると言われたこともありますね。長浜さん:入庫1年目の職員とコミュニケーションを取っていると、「先輩が優しい」とみんな口をそろえて言うのです。これは、今の先輩たちもまた自分が新人だった頃に、上の世代から丁寧に教えてもらってきたからだと思います。そうした「優しさの循環」が続いていることが、あたたかな雰囲気を作っているのだと感じます。――お客様との関係性にも特徴はありますか?國仲さん:沖縄ろうきんの主なお客様は、労働組合や共済会など「助け合い」を大切にする県民の方々です。職員同様、穏やかな方が多いように感じます。日々、沖縄ろうきんをご利用いただいている皆さんに支えられていると実感します。妊娠・子育て・介護……ライフステージに寄り添う職場づくり――妊娠中の職員へのサポートはどのように行われていますか?國仲さん:妊婦さんがいる部署では、「残業をさせない」という空気が自然にあります。「あと○分で終業時間だから、今日はここまでにしよう」と周囲から声がかかることも多いですね。長浜さん:「早く帰れるようにみんなで支える」という意識が、職場全体に浸透しているようにも感じます。また、労働組合の存在も大きいですね。妊産婦への時間外労働は大きな問題になりますし、制度が制度だけで終わらないよう、職場全体で支え合っています。――時短勤務や子どものお迎えなど、時間に関するサポートはいかがですか?長浜さん:子育てしている職員のなかには「16時までの時短勤務」を選ぶ方も多く、周囲も「そろそろお迎えの時間だね」と自然に声をかけています。最近は介護と仕事を両立するために時短勤務を使う職員も増えており、ライフステージに応じて働き方を調整できるのは大きな安心材料だと思います。――年次有給休暇の取りやすさについても伺いたいです。長浜さん:今は法律で一定の基準により「5日以上の年休取得」が義務付けられていますが、沖縄ろうきんではそれ以前から「計画的に年休を取る」ことに取り組んできました。金庫内には、労使で構成される「健康管理事業推進委員会」があります。この委員会では、職員の健康管理だけでなく、「ノー残業デー」や「年休取得強化月間」の設定など時間外労働削減や計画的な年休取得に向けた取り組み、管理を実施しています。その結果、2024年度の平均有給休暇取得日数は「18.3日」と高い水準となり、多くの職員が年休を当たり前のように取得できるようになりました。――福利厚生面で「沖縄ろうきんらしさ」を感じる制度や仕組みはありますか?國仲さん:沖縄ろうきんは「正職員・正職員以外で福利厚生に大きな差がない」という点が特長だと思います。通信教育・検定試験受講料の補助や結婚休暇の取得なども、労使で少しずつ見直しを進めた結果、雇用形態に関係なく使えるようになりました。沖縄を支え、支えられてきた60年と、これからの働き方――國仲さんご自身は、今後どのようなキャリアを描いていきたいと考えていますか?國仲さん:私は営業店長を経験したいと考えています。これまで現場経験はありますが、営業店のトップとしてお客様対応をした経験がありません。どこかのタイミングで経験すべき役割だと感じています。――沖縄ろうきんとして、これから大切にしたいことは何ですか?國仲さん:沖縄ろうきんは2026年度に創立60周年を迎えます。継続的な大きなテーマは、「地域でお預かりしたお金を、できる限り地域に還元し続けること」です。過去には収益が厳しく、その影響か通常より多くの職員が退職した年もありましたが、その経験も踏まえ商品やサービスの見直し、制度整備を重ねてきました。おかげさまで、ここ数年は収益が堅調に推移していますし、過去3年間(2023~2025年)の新卒採用者の離職者は0名です。全国的には経営基盤の強化を目的に統合が進む動きもありましたが、沖縄ろうきんではあくまで「単独金庫」として地域を支える姿勢を大切にしてきました。もちろん、統合の是非は一概に判断できるものではありません。しかし私たちは、地域に根ざす金融機関として「次の100周年、そしてその先に向けてどのような存在でありたいのか」を自らに問い続けたいと考えています。これからも、地域への貢献と、職員の雇用や働きやすさの両立を大切にしていきたいですね。長浜さん:沖縄ろうきんは以前と比べて、ライフステージに合わせて制度を利用しながら働ける環境が整ってきたと実感しています。ただ、職員のライフステージは育児だけではありません。今後は、家族の介護などと向き合うケースもますます増えていくでしょう。だからこそ、個々の不安に寄り添い、一人ひとりに合った制度活用を提案できる存在でありたいですね。 制度も働き方も時代に合わせて変化していくなかで、職員が自分らしいキャリアを描き続けられる環境づくりを、これからも追求し続けていきます。――本日は貴重なお話をありがとうございました。