「子育てと仕事の両立で悩む人は多いはず。読者と一緒に考える記事を書きたい」そう語るのは株式会社琉球新報社(以下:琉球新報社)の記者、嶋岡すみれさん。今回は、2人の子を育てながら記者として活躍する嶋岡さんと、同社の総務企画局人事グループ主任の金良孝矢さんにお話を伺いました。男女ともに働きやすい琉球新報社の制度や、現場で働く女性の声、仕事のやりがいや今後の抱負をお聞きしています。ぜひ最後までご覧ください。取材現場へ直行、自宅やカフェで執筆、記者のリアルな1日――現在の担当業務について教えてください。嶋岡さん:私は暮らし報道グループで那覇・南部班に所属する記者です。糸満市、八重瀬町、座間味村、渡嘉敷村を担当し、行政や議会、地域の話題に関わる記事を執筆しています。――記者としての仕事、1日の流れはどのようなイメージでしょうか。嶋岡さん:たとえば、10時から取材が入っている日は自宅から直接現場に向かいます。取材が3〜4件ある場合は合間に車やカフェで記事を執筆、取材が少ない日は役場や公民館などで地域の情報収集にあたります。自宅で記事を書く日が多いため、会社への出勤は週に1回程度です。在宅勤務や充実した休暇制度で働きやすい環境――5歳と2歳のお子さんがいらっしゃるとお聞きしました。子どもの急な発熱時など、どのように仕事を調整されていますか?嶋岡さん:子どもが体調不良の場合は、取材を別日に変更できないか先方に依頼するなどして調整し、どうしても私が取材に行かなければならないときは、夫や夫の両親に子どもを任せています。また、取材に影響がなければ在宅勤務に切り替えることもできるので、臨機応変に対応しています。男女問わず子育て中の社員が多いため、柔軟な働き方に理解がある環境です。――相談しやすい環境が整っていますね。嶋岡さん:そうですね。直属の上司も女性で、子育てしながら部長職に就いています。ほかにも、責任ある立場で活躍する女性が多く、家庭と両立しながらキャリアを積む先輩の姿を間近で見てきました。金良さん:嶋岡も話していますが、当社では女性管理職の割合が3割、人事グループ長も女性が務めています。国際女性デーでは女性記者が中心となり、ジェンダーに関する記事の企画や取材、執筆に取り組んでいます。――活躍される女性が多いですね。子育てしながら働きやすい仕組みや制度など、会社として何か取り組んでいますか?金良さん:琉球新報社では、基本給の40%を支給する育児休業制度(以下:育休)を1991年度に導入しました。現在は3歳未満の子を養育している従業員を対象に、通算1年間休めるほか、国の給付金と合わせて月額賃金の8割程度を支給しています。金良さん:また、近年は男性の育休取得率も60%に達し、過去には1年間取得した社員もいます。私自身も第1子のときに育休や年休、特別休暇を組み合わせて3か月休み、育児に専念できました。――制度を利用しやすい雰囲気があるのですね。金良さん:そうですね。また、有給で取得できる産前産後休暇の内容も充実しています。法律上は、産前6週間、産後8週間の休暇が取れますが、当社では産前産後ともに8週間の休暇を取得できます。嶋岡さん:私も第1子、第2子ともに産前産後休暇と育休を取り、とても助かりました。仕事も育児も頑張りすぎない、力を抜いて続ける工夫――子育てと仕事を両立するなかで、大変だと感じる場面はありますか。嶋岡さん:記者は休日や夜間の取材、連絡も多いため、育児との両立に難しさを感じる場面はあります。夜の家事が忙しい時間帯に、記事の修正や確認依頼がきたり、取材先から重要な電話が入ったりすることもあり、仕事を優先せざるをえないときもあります。――忙しいなかで工夫されていることはありますか?嶋岡さん:「すべてを頑張りすぎない」ですかね。家事も育児も仕事も、すべて100%を目指していたらキャパオーバーになってしまうため、少しずつ手放していくことを意識しています。たとえば、以前は残業する際に家族の夕食を私が用意していましたが、今は夫に任せています。――周りに頼ることも大切ですよね。嶋岡さん:そうですね。今では、私が忙しい日は夫が子どもの夕食、お風呂、寝かしつけまでやってくれるので助かっています。また、私も入社8年目となり、記事を書くスピードも速くなってきました。今まで積んできた経験が、自分をラクにしてくれている感覚があります。悩みや葛藤をエネルギーに、社会に問いかける記事づくり――忙しい毎日を送りながらも、記者を続けてよかったと感じる場面はありますか?嶋岡さん:第1子の育休復帰から半年が経ったころ、ジェンダーや子育てのテーマを扱う生活担当になりました。当時は入社4年目で記者経験も浅く、慣れない育児と仕事の両立に悩んでいました。嶋岡さん:「キャリアをどうすべきか」「夫婦関係は今のままでいいのか」と私自身が悩み、葛藤していたんです。「同じ悩みを抱える人は多いはず。読者と一緒に考える記事を書きたい!」とさまざまな角度からのジェンダーや子育てをテーマにした記事の取材、執筆に励みました。――悶々としていた思いをエネルギーに変えて、仕事に活かしたのですね。嶋岡さん:そうですね。「どんな構成にしたら読者に伝わるか」「どこに焦点を当てたらジェンダーの問題を認識してもらえるか」と私なりに考えました。新聞社は毎日記事を発信して、社会に問いかける役割を担っています。個人の体験が社会的な問題意識につながり、発信することで解決に向けた議論を生み出せる。記者としての使命とやりがいを感じる瞬間です。「地域に密着した記事執筆」「より働きやすい環境を」それぞれの抱負――最後に、嶋岡さんの今後の抱負を聞かせてください。嶋岡さん:地域に密着した記事を書き続けたいと思っています。日頃から取材で各地を回るなかで「地域にニュースはたくさんある」と感じています。個人の体験や、ひとつの地域に限った問題と思うようなことでも、深く調べてみると社会的な問題につながっているからです。記者として、そして地域の生活者としての視点を活かした記事づくりを今後も続けたいです。――ありがとうございます。人事担当として、金良さんの抱負も聞かせてください。金良さん:琉球新報社では社員の声に寄り添い、制度づくりを進めてきました。今後も「仕事と育児の両立を支援できる環境づくり」に努めてまいります。私自身も記者を経験して、現在人事を担当しています。現場の業務調整の難しさを肌で感じたからこそ、人事の立場として男女ともに働きやすい環境を整えていきたいです。――本日は貴重なお話をありがとうございました。◆株式会社琉球新報社の採用ページはこちら