沖縄の暮らしを支える生活インフラ、イオン琉球株式会社。イオン、マックスバリュ、ザ・ビッグ、イオンドラッグなど、2026年2月時点で68店舗を運営しており、約5千人いる全従業員のうち約7割が女性です。同社には、社員一人ひとりのライフステージに寄り添い、多様な働き方を認め合う「温かな空気」が根付いています。今回お話を伺ったのは、同社 商品本部 H&BC商品部 デイリーコンビニエンスバイヤーの波平梨歌さん。店舗勤務や宮古島への転勤などを経験し、現在は2人の子どもを育てる母として、時短勤務制度を活用しながらバイヤーとして活躍しています。今回は、管理本部 人事教育部 部長の山里千春さんと、社長室 室長代行 兼 広報課長の喜納優子さんにも同席いただき、制度を「どう使うか」を共に考える職場の在り方などについて語っていただきました。仕事と育児を両立するための工夫や、復職時の周囲の温かなサポートについても詳しくお聞きしていますので、ぜひ最後までご覧ください。店舗の最前線から「自分で段取りできる」バイヤーへ――まず、現在担当されている具体的な業務内容について教えてください。波平さん:現在は商品本部 H&BC(ヘルス&ビューティケア)商品部に所属しており、「デイリーコンビニエンスバイヤー」として日々業務に励んでいます。主な担当は化粧品や医薬品、日用雑貨といった、地域の方々の生活に密着したカテゴリーです。具体的な仕事内容は、メーカー様や取引先様との商談を通じた商品の仕入れや、店頭に並べる商品の配置を決める「棚割り」、チラシの作成などです。私の担当範囲は、イオン那覇店やイオン南風原店といったGMS(総合スーパー)から、県内全域に広がるマックスバリュの各店舗まで多岐にわたります。――商品部での働き方は、子育てと両立するうえで、どのような点がご自身に合っていると感じていますか?波平さん:現在の商品部の仕事は、個人で動く部分が多いのが特徴です。もしも子どもの体調不良などで急にお休みをいただいたとしても、後から自分で調整して仕事の遅れを取り返すことができます。「自分でコントロールできる働き方」が、2人の子どもを育てている今の自分にはとても合っていると感じています。早めの引き継ぎと上司の柔軟な提案がくれた、復職後の「心のゆとり」――2度の産休・育休を経験されていますが、お休みに入る際の不安はありませんでしたか?波平さん:特に2度目の産休に入る際は、後任の担当者が早い段階で着任してくれたことが非常にありがたかったと感じています。時間をかけ引き継ぎすることができた点や、後任のサポート役として並走する期間があったおかげで、私自身も安心して休みに入ることができました。後任の方にとっても、大きな不安を抱えることなく業務に取り組めたのではないかと考えています。――復職のタイミングで、印象に残っている出来事はありますか?波平さん:復職にあたり、当時の上司へ「時短勤務にしたい」と相談したところ、快く受け入れていただきました。しかし実際に働き始めると、朝の子どものぐずりや通勤ラッシュの影響で、9時の始業に間に合わないことが増え、当時は大きな悩みになっていました。朝の通勤状況や家庭の事情を伝えたところ、上司が「9時ちょうどに来る必要はない。みんなより始業時間を15分ずらそうか」と提案してくださったのです。慌ただしい時間帯に始業時間をずらしていただけたことで、気持ちの面でも行動の面でも余裕が生まれました。今も上司の配慮に支えられながら、仕事と育児を両立しています。――制度の活用だけでなく、社内のIT環境の変化も働きやすさに影響していると伺いました。波平さん:コロナ禍をきっかけにリモートワークの環境が整い、業務効率が上がりました。以前は外出先でメールを確認したくても、会社に戻らなければ対応できない場面が多かったのですが、今は社外からでも作業ができるようになっています。取引先や店舗への対応もスムーズになり、出先の時間を有効に使えるようになったことで、コロナ禍前より働きやすさを感じるようになりました。同僚との情報共有と、自社商品をフル活用する毎日の「裏技」――社内には子育て中の方も多いそうですが、普段からよく情報共有などはされているのでしょうか。波平さん:他部署の方とは、自然と子育ての話題で盛り上がることが多いですね。例えば「年末年始の休みはどう過ごしている?」といった季節の行事の話題から、「子どもが急に体調を崩した際、どう対応しているか」といった具体的な悩みまで、幅広く共有しています。私自身はまだ利用したことがありませんでしたが、同僚から病児保育やデイサービスを実際に活用しているという話を聞き、身近に頼れる選択肢があることを知るきっかけとなりました。仕事と育児の両立に励む先輩ママたちから得られる生の情報は、私にとってとても心強い存在です。――多忙な毎日を乗り切るために工夫されている「裏技」などはありますか?波平さん:アピールになってしまいそうですが、当社の公式アプリをフル活用することに尽きますね。特に、冷凍食品が20%OFFになるクーポンが配信されるタイミングでまとめ買いをしています。当社の扱う冷凍食品はどれも美味しく、コストパフォーマンスにも優れているため、日々の弁当作りや夕食の準備に欠かせない存在です。家事の時短につながるだけでなく、自ら利用することで会社の売上にも貢献できると考えています。制度を使う人・支える人の双方が、健やかに働ける環境を目指して――育休取得を含め、家庭と仕事を両立しやすい環境づくりについて、会社としてどのような取り組みを進めていますか?山里さん:特に男性の育休取得については、会社として向き合うべき大切なテーマだと考えています。現在は、数日間の取得から1年にわたる長期のケースまで、少しずつではありますが、実際の事例が増えてきました。制度の活用が進むなかで、業務を支える現場の仲間の存在にも目を向け、フォローする側の負担や貢献が正しく評価される仕組みづくりを整えていきたいですね。――広報の立場から、喜納さんはどのようにお考えでしょうか?喜納さん: 限られた時間のなかで育児と仕事に誠実に向き合い、懸命に働いている社員は決して少なくありません。一人ひとりのひたむきな力が、現在のイオン琉球を支える大きな原動力になっています。多様な働き方を尊重し、互いに認め合う風土が少しずつ育つことで、人も会社も健やかに成長していくと考えています。これからも広報として丁寧に発信し「この会社で働きたい」と感じてもらえる人を増やしていきたいですね。焦らずに自分のタイミングで理想のキャリアを築く――今後の目標や描いているビジョンについて教えてください。波平さん:直近の具体的な目標は、社内試験に挑戦して職位を上げていくことです。以前から苦手意識のあった数字面などを、基礎から学び直していきたいですね。将来私の元に後輩が配属された際に、分かりやすく教えられる存在になりたいと考えています。――最後に、ご自身のキャリアに悩んでいる女性たちへ向けてメッセージをお願いします。波平さん:「出産前に社内試験を頑張っておくべきだった」と、以前後悔したことがありました。ですが、今の私が確信を持って言えるのは「決して焦らなくていい」ということです。「30歳までにこうしなきゃ」「周りが結婚や出産をしているから自分も」と、誰かと比べて無理に急ぐ必要はありません。ライフステージの変化によって、一時的にキャリアが止まったように感じることがあっても、諦める理由にはならないと思っています。当社には、年齢やブランクに関係なく挑戦できる制度があります。時間がかかったとしても、家庭が落ち着いたタイミングで、また一歩ずつ前に進んでいけると思います。「人と比べない」という考え方は、長く自分らしく働き続けるための、私なりの1番のコツです。自分の幸せや進むべきタイミングは、自分自身で決めていいのだと伝えたいですね。――本日は貴重なお話をありがとうございました。